皆さんは天国と地獄の寓話をご存知でしょうか? 簡単に言うと、
地獄の風景はおぞましいものです。地獄の住人たちはみな腹を空かせて目を血走らせ喧嘩ばかりしています。目の前に食べものが煮込まれた大きな釜があるのですが、煮立った食べものを取るためのお箸はとても長く、自分の口には入れられずに皆がイライラしています。
実は天国の景色も大きくは変わりません。やはり住人たちの前には煮立った大釜が置かれています。地獄と違うのは、天国の住人たちはお互いの口に食べものを運んであげ、皆がニコニコと満足そうに過ごしています。
私はこの話を読んだとき、結構な衝撃を覚えました。そうか、天国も地獄も、実は状況に大した違いはないんだ。違うのはそこにいる人の気持ちの持ちようだけ。これは世の中全体に言えることかもしれないな、と。
トランプに代表されるアメリカのメンタリティって、この地獄の住人たちの考え方そのものですよね。元々人間の欲望を成長装置として活用してきた資本主義の権化は、どこまでも自己中心的で独善に陥りがちです。昔からアメリカはそう。自国に有利なように、自国の都合を優先して、他国に干渉を繰り返してきた。アメリカに限らず、西欧の価値観って概ねそんな感じですよね。弱肉強食の国際政治マーケットは、そうでなければ生き残れなかったのかも知れませんが。
しかしながら、時代は進んで今は21世紀も1/4を過ぎました。世界は一つのグローバルマーケットとして繋がり、ネットで瞬時に地球の裏側まで情報が伝わる現代。もう相手を騙したり恫喝して自分だけが得をするようなことはありません。例えるなら、ポーカーのように手札を隠したゲームではなく、将棋や囲碁のようなお互いに情報がオープンなゲームをしてるんです。この状況で大事なのは、互恵の精神ですよね。自分だけでなく、相手の立場や価値観に敬意と配慮を払う。
ここに西欧諸国が気付く日は来るのでしょうか。我々日本人は、武力ではなく商売と文化の力で世界と仲良くお付き合いをしていきたい。未来はこの方向にしかないと信じるから。
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