
なかなか面白い記事でした。かつて日本は世界の工場として経済発展を実現したわけですが、今やその座を中国に明け渡して久しい。そしていま、その中国も成長の限界に差し掛かっているように見えます。


まあ国が成長発展すれば、こうなりますよね。今は世界を席巻するSHEINも実際に手を動かして製品を縫ってくれる工員あってこそ。今の40〜50代工員が引退した後が問題です。どこもそうですが、若い人はキツい3K仕事なんかやりません。遅かれ早かれ、今の安価な生産能力は維持できなくなるでしょう。とはいえ世界にはまだまだ受け皿となる貧しい国が沢山あります。ベトナム・バングラデシュあたりが次の生産工場を受け持つのでしょう。そこでもまた同じストーリーが繰り返されるわけですが。
成長の階段を上がった発展国はこの先どうすればいいのか。高付加価値型のエコシステムを維持していくしかありませんよね。アメリカもEUも日本も同じです。そこで最後にモノを言うのは、私は固有のカルチャーのパワーだと思います。アメリカはとにかくアグレッシブにイノベーションを生み出す役割。ヨーロッパと日本は伝統と独自の感性を活かした差別化。だから大事なのは昔からある文化を大切にして残すことですよね。一度失われた文化は取り返せませんから、そこをどう若い人に受け継いで行くかが課題です。
個人的には、工業高校って良い立ち位置だと思うんですよね。何だか勉強のできないヤンキーが行くとこ、みたいになってるのが本当にもったいない。今さら古くて汚い工場で単純作業やりたい人はいないんですが、それでもモノ作りの魅力は不変です。うっとり眺めたくなる美しい銀や漆の食器、いつまでも触っていたくなる木やレザーの家具、伝統と未来を織りなすファッション。しょうもない会社で広告営業やらされるよりはるかに愉しそうだと思いませんか? 有利/不利、でなく、愉しいか愉しくないか。自分の直感を信じて豊かな人生を送るチョイスをしてほしいですね。
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