
皆さん、生成AI使ってますか? 私は段々使用頻度が上がってきて、最近は検索するときはGoogleじゃなくてChatGPTとか使うことが増えています。なんといっても、Google検索だと
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という2ステップ必要なのに対して、いきなり調べたいことの結果が画面上に要約表示されるのがいいですよね。本当に回答結果を信用していいのかという問題は一旦無視しますw 問題はこの生成AIというやつがどれくらい有用か、です。
検索精度
上にお書きした通り、検索するユーザーにとってのUI/UX的には明らかに従来のGoogle検索より向上しています。実はもう入手できる世の中の学習データを全て食い尽くしたという話もありますので、現状より精度が上がることはないと思いますが、現状でも既に充分な検索クオリティは備えていますね。ここは合格
コンテンツ生成
生成AIという言葉の通り、本来の期待はコンテンツの生成にありました。ざっと使ってみた限りでは、大抵の場合の下書きレベルには使えます。ただ、プロレベルの文章を書けるかと言われると、それはやっぱり無理なんですよね。文筆業に携わる人の評価としては落第みたいです。
では画像はどうでしょうか。これも現状でExcellentと言えるレベルではありませんよね。指が六本あるのは論外としてw、それでも生成される写真には人工物っぽいフェイク感が拭えません。これも恐らく現状より抜本的に精度が上がることはないのだと思います。やはり何かと何かを合成して得られる写真には不自然さがあり、人間の脳はそこを敏感に察知するのだと思います。使えるのは「いらすと屋」のフリー素材を使うよりは使い回し感がないという程度の素材レベルに限定されるんじゃないでしょうか。
ビジネスとして
となると気になるのが、今の生成AIに期待したテック企業各社の業績と株価はバブルではないのか、という懸念です。実際問題iPhoneに搭載されたApple Intelligence(現時点では英語版のみリリース)の評判はあまり芳しくありません。従来のSiriより劣る回答しかしないという残念なリポートもあるので、今ごろAppleは焦ってるんじゃないでしょうか。
結局儲かっているのは、ゴールドラッシュでジーンズ屋が儲かったように、今のところNVIDIAだけ、かろうじてTSMCがそこそこ、という始末。先行きの期待だけで生成AIやテック企業が買われていたとすると、バブルが弾けるのは時間の問題な気がします。
Deep Seekショック
そこに輪を掛けたのが、中国から突如現れたDeep Seekの存在です。なんと、性能はChatGPTを凌ぎ、コストは数十分の一以下。挙げ句の果てにこんな凄いモノをオープンソースでタダで公開してしまったのです。そもそも彼らはヘッジファンドの経営が本業で、生成AIはサイドプロジェクトで作られたプロダクトなのだそうです。中国企業の開発レベルの高さは恐るべしですが、そんなのを無料で公開されてはOpenAI他の先行企業はたまりません。今週に入ってNVIDIAの株価が暴落しているのもやむなし。生成AIバブルは早くも弾けてしまったのでしょうか。
生成AIの厄介なところは、スイッチングコストが低い、つまり乗り換えが簡単で、囲い込んでネットワーク効果を発揮するようなビジネスモデルが作りにくいところにあります。先行したからといってFacebookみたいに世界のユーザーを自社サービスに閉じ込めておけないんですよね。これはツラい。
で、とうとうMicrosoftは生成AIのCopilotを含んでいるという口実を作って、MS-Officeの値上げに動いてきました。これはそうするしか収益の取りどころを作れなかったということです。結果として膨大な投資コストは、必ずしも生成AIを必要としない多くの一般Officeユーザーが負担させられるハメになったのです。げんなりですね。
まあ結論としては、生成AIは各種のツールがちょっと賢くなっただけ、という程度のものなんですね。とてもじゃないけど、人類の未来を変えうる新しい知性の登場なんかではない。残念ではありますが、冷静になりましょう。
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