兵庫県知事選挙2024

私を含めた多くの兵庫県民の率直な感想をお伝えしておきます。

まず、私も最初は斎藤元彦前知事のことを「なんやこいつ酷いな」「こいつのパワハラで人が死んでるのに辞めへんのはサイコパスなんか」と思っていました。これは多くの県民の共通の感覚だったと思います。だからこそ、知事失職直後の街頭演説には応援者なんて一人も集まっていなかった。

あと、立花孝志のことを好意的にも見ていません。あの見た目に嫌悪感を感じるしw、選挙制度の抜け穴を逆手に取ったハック振りには到底賛同できません。これも今でも多くの県民の共通の感覚だと思います。

それでも、途中から、「これだけ叩かれてるのに明確なエビデンスが全然出てこないのはおかしくない?」「あれ、ひょっとして、斎藤さんってパワハラしてないの?」から始まったんです。ここの斎藤さんへの見方の転換に立花孝志が貢献したのは事実。それでも当初は半信半疑でした。そりゃそうです。それなりに人生生きてきたいい歳した大人が、ものごとへの見方を百八十度転換するのは、いつだって勇気が要ります。だから、みんな慎重に事実の見極めをしていったんです。で、やがて斎藤さんへの見方が確信に変わる。「この人、ええ人やん」「ただ真面目で口下手なだけで、やってることは至って真っ当やん」と。選挙戦全般を通じて、斎藤さんは相手候補のこと、全く悪口を言いませんでしたよね。そもそも、失職の段階で県議会を解散せずに自分独りの失職を選んだこと自体が、県政と選挙コストへの影響に配慮した、凄く大人の判断だったと思いませんか。

当選した後の斎藤さんの挨拶動画を見ましたか。これから県議会とマスメディアも含めたオール兵庫で県政を前に進めましょう、と言ってましたよね。普通なら勝った高揚感で自分を攻撃してきた憎い敵にひと言言いたいじゃないですか。でも、そんな誰もが勝利に酔ってる時ですら、冷静に今後のことを考えて負けた相手の逃げ場を奪うような追い詰め方をせずに、みんなで力を合わせて兵庫県を良くしていきましょう。そんなことを言える人なんです。ああ、応援してきてよかったな、正しい人を選んだな、という安堵感を持ちましたよ。

政治の問題はいつだってセンシティブです。右から左まで、多くの考え方、価値観があり、自分と異なる立場の人を尊重するのが本当のリベラルです。だからアンチ斎藤の方にもそれなりのお考え方があり、背景とストーリーがおありなのでしょう。でもね、これだけ多くの人が出した民意を尊重してほしい。そりゃデマに乗せられただけや、と憎まれ口を利く人もいるでしょう。でもね、県民そんなにアホじゃない。怖いのは、むしろ事前に用意されたストーリーに沿った報道で世間を誘導していくマスメディアなんです。その仕組みにもう多くの人が気付いてしまった。これからは、賛否両論の言い分を聞いた上で、自分の頭で何が正しいのか、自分はどう思うのかをそれぞれが示していく時代なんです。その意味で、ネットがマスメディアに勝った日、として記憶に残る県知事選となりました。発信力の強い人が常に正しいとは限らないけれど、それでもマスメディアとは異なる視点を提供してくれることもある。今まで欠けていた公平で真に中立な視点が、少なくとも選択肢として与えられる世の中になった。これはやっぱり良いことなんです。

まあこれだけ盛り上がったのに投票率が55%程度にしか伸びなかったのは残念です。まだまだ政治を自分ごととは思えない人が沢山いるということです。政治が頑張れば、自分たちの生活に大きな影響があるんだ、日々の暮らしが良くなるんだ。そういう希望を与えることができるかどうかは、これからの政治家の行い一つ。そしてそのためのプレシャーをかけて、良い行いには真っ当な評価を与えることが国民の責務です。日本が良い方向に向かうことを願っています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次