中国の不幸

歴史的に見て、中国は紛れもない大国です。四大文明の時代から世界をリードし、アジアの盟主であり続けてきました。その事実はなんら揺らぎません。ですが、近世においてはそのポテンシャルを世界中の国から恐れられながらも常に「眠れる獅子」でした。それはつまり、本来あるはずのポテンシャルを発揮できず、現代の一流国になり損ねてきたということでもあります。清朝時代には産業革命の波に乗り損ねて、欧米列強の帝国主義が世界を席巻しました。中国は世界の盟主から、欧米によって搾取される立場に身を落としてしまいました。いつの間にか小さな周辺国であったはずの日本にまで侵略され、挙げ句の果てには共産主義に毒されてしまいます。毛沢東時代の悲惨さは目を覆うばかり。その後ようやく鄧小平という救世主が現れて、改革開放路線に舵を切り、やっと発展期を迎えます。絶好調でしたよね、ついこの前までは。

どうしてこのタイミングで習近平なんてジョーカーが登場しちゃったんでしょう。せっかく国家主席の二期十年縛りという権力の腐敗を防ぐ仕組みあったのに、無視して終身主席体制を実現しようとしています。誰も阻止できなかったんですかね。それだけ政治力には並外れた力量があったということなのかもしれません。問題は絶望的なまでに経済センスがないことです。

あのまま商売に徹していればよかったんですよね。もはや世界のどの国も無視できない存在感を手に入れ、アメリカだって一目置かざるを得ない存在になっていました。米中ツートップ体制は実現可能だったと思います。軍事的な野心を抑えていれば。

アメリカって、本気で危機感覚えたときは遮二無二ライバルを潰しにくるんですよね。1980年代の日本もそのターゲットになって潰されました。いま明確に中国をロックオンして、潰しにかかっています。多分アメリカの試みは成功するでしょう。最後は圧倒的な軍事力がモノを言います。いくら中国でも世界と貿易できなければ反転は望めません。No.1に手が掛かるところまでは来たんですがね。

聞くところによると、習近平は長寿の家系なのだとかw となると、ヘマをしない限りはあと何十年か今の体制が継続することになります。不動産クラッシュは、中国の輝ける成長ストーリーの終わりを意味します。これから余剰生産体制を廃棄するというツラい宿題をこなす期間が続きます。厳しいですね。

日本はどう振る舞うべきか。プライドは置いておいて、今まで通りアメリカのポチが一番安全なポジションですよね。で、八方美人な商売人に徹する。日本の最強のビジネスモデルは、トヨタであり、総合商社です。ITとかハイブランドビジネスは得意なところに任せておいて、地味な裏方に回る。素材、生産財製造業、インフラビジネスで頑張り、観光立国で世界の人に遊びに来てもらう。それで充分今のポジションは守れると思います。草食な若者たちが心配になりますが、大丈夫。世界の他の国の若者はもっと働きませんw 相対的には良い立ち位置をこの先もキープできると思います。安易な移民受け入れとかせずに、日本という秩序の保たれた国を大事にしましょう。「天国にいちばん近い国」なのですから。

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