資本主義の暴力性

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この記事を読んで、「最近のWindowsってそんなんなんだ」と思うと同時に、「ちょっと待てよ、何だかおかしくないか」と感じてしまいました。私自身は随分前にMacに移行したのでWindows環境は会社の振込とか最小限の使い方しかしていませんが、Windowsはどんどんウザくなってるみたいですね。Googleはメディア企業だから、広告がビジネスの中心になるのは当然です。しかしMicrosoftは有料のソフトウェアビジネスが主体なのに、こんなにユーザーの視界を邪魔する資格があるのでしょうか。

Windowsと比べられるのはAppleですが、Microsoftに比べてAppleが比較的スマートに見えるのは、彼らがハードウェアを売るビジネスが柱だからに他なりません。なのでAppleはビジネス的にそこまで広告依存度が高くありませんが、最近のネット空間の広告偏重ぶりは目に余ります。目的のコンテンツが読みたい、見たいだけなのに、鬱陶しい広告をかき分けて、あっちこっち飛ばされて、行って戻ってを何度も繰り返し、ようやく目的に辿り着いたら全然大したことない記事でがっかり、なんてこと多くないですか? 雑誌や新聞を買わなくなった我々が悪いんですが、メディアがネット空間に移行して無料でコンテンツを消費することが当たり前になり、結果私たちは毎日色んな場所で広告に埋もれて生活しています。スマホも、電車も、街中も、家の中だって。自分の時間も労力も集中力も知らないうちに削られてばかりで、なんだか細切れの時間の流れにずっと追われている気がします。果たしてこれがみんなが望んだ未来なのでしょうか?

企業の側からすると何も間違ってはいないのです。利益を最大化するために、株主の要求に応えているだけ。では悪いのは、何か。何だか主語が大きくなって恐縮なんですが、資本主義というシステムそのものの瑕疵が表面化してきているような気がします。今や懐かしい響きのするあの冷戦時代は、少なくとも社会主義に対する善なる存在として、私たちの資本主義は輝いていました。しかしその戦いにケリが付いた今、本当に我々は勝ったと言えるのか。世界で一番資本主義システムに忠実に則って運営されているアメリカという国の現状を見るに、自信を持ってYesと言える人がどれだけいるのでしょうか。

”資本主義は最悪だ。これまで試みられた他の全ての経済システムを除けば”

じゃあどうするんだ、という話なんですが、これがなかなか難しい。社会主義や全体主義が失敗した理由は明らかで、要するにリソースの配分という非常にパラメーターの大きいタスクを人為的にコントロールするのは無理、ということなんですよね。だから市場の配分機能に委ねるが正解だということまでは分かってる。後はその市場機能が暴走しないような適切なコントロール手段ということになります。日本がアメリカのような殺伐とした国になっていないには理由があって、社会を構成する人的リソースが固定化しているんですよね。基本的には移民を沢山は受け入れない。多くの日本人の中に歴史や価値観が共有されていて、日本という文化と風土を強固に守っている。だからドイツみたいに大量の移民受け入れなんてことをやったら、あっという間に国が崩壊すると思います。確かに人手不足という課題は重いけど、それでも日本の良さをキープするためなら、あまり移民は受け入れるべきじゃない。調べたら、明治維新の前には日本の人口は3500万人程度しかいなかったんですよね。そのレベルまでとは言いませんが、少々減ったところで問題はない気がします。日本は「拙速より安定を重視」してきたから今の国があるわけで、それを今後も崩さない方がいいと思います。モルモットはアメリカに任せて、日本は美味しい二番煎じ、でいいんじゃないですか。日本に過度のイノベーションとか革新性ってなくていいんですよ。時間をかけて取り入れる柔軟性さえあればそれでいい。

欧州は大きな政府主義、中国は強力な国家管理主義、イスラム圏は戒律重視の宗教社会。みんなそれぞれ歴史や背景を抱えているわけで、理由があって今の姿があります。その成り立ちを尊重した方がいい。みんながみんなアメリカ的な成功ストーリーを追う必要はないし、追えもしない。一つだけ思うのは、もうちょっと他者に対するリスペクトを持とうよ、ということ。世界が日本みたいに多神教の国だったら、もっと平和に共存できると思うんですよね。いつまで経っても紛争が絶えない世界の在り方に、少々溜息が出ますね。そしていつも思うのは、私たちは日本に生まれてきてよかった、ということ。幸運に感謝しましょう。

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