ハイブランド作り

日本人が致命的に下手なことって、ハイブランド作りだなと思います。考えてみれば戦後の経済復興は基本的に欧米へのキャッチアップ。それは明治維新からずっと続いている流れ。認めたくありませんが、戦後すぐの日本製品は安物で低品質の代名詞でした。だから「舶来モノ」が重宝された訳です。その後の努力で品質向上に努め、安くて高品質というイメージを世界中に知らしめたのは先人の功績ですが、それが円高で工場の海外流出に繋がった今も重い呪縛になってしまっている気がします。考えてみてください。日本ブランドで本当のハイブランドってあります? トヨタ・ホンダ・SONY・任天堂、その他全てがコスパの良い製品という線を越えれていない。トヨタはLEXUSでハイブランド化に挑戦しましたが、まだ中途半端な位置に止まっています。ファッションでもそう。森英恵とかKENZOとかのファッション第一世代は結構良い線いったと思いますが、後が続かない。結果的にUNIQLOや無印良品、ニトリといった庶民派ブランドしか構築できていないですよね。日本の高付加価値路線には何が足りないのでしょうか。

逆に成功しているハイブランドを見てみると、殆どがヨーロッパ発。エルメス、ルイ・ヴィトン、フェラーリ、ライカ。どうしてこれらに類するブランドが日本から生まれないのか。これはヨーロッパに貴族階級が永らく存在したことに原因があるのかもしれません。ハイクラスなマーケットが確かにあり、その需要を満たす製品が求められている。日本にも昔は階級がありましたが、明治維新と敗戦で粉々に破壊されてしまいましたものね。だからかどうか分かりませんが、新しいブランドを作るとき、新製品を発売するとき、日本ではあまり高い価格設定をすることを避けていると感じます。特に30年もデフレが続きましたから余計ですよね。結果的にみんなが価格競争に陥って疲弊しているのが現状ではないでしょうか。

ブランディングの特性として、上から下には降りれるが、下から上には上がれない、と読んだことがあります。アルマーニのセカンドラインは簡単に作れるが、UNIQLOの高給ブランドは作れない。だからハイブランド路線で勝負したければ、最初からそういうコンセプト設計をしないといけないんでしょうね。あり得るとしたら、かつて成功したけど今は低調なハイブランドを買っちゃうこと。DJIがハッセルブラッドを買ったように。調子のいい総合商社あたりがそういうチャレンジをしてみても面白いかもしれませんね。日本発のハイブランドの成功例を見てみたい。

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