EVは本当に普及するのか

週末は可能な限りクルマのイベントに顔を出しています。多くのクルマ好きの皆さんと触れ合い、集まった個性的なクルマたちを眺めて、いつかEVの時代が来るのだろうかと考えてしまいます。個人的には疑問です。

確かに政府の誘導でメーカーは軌道修正をするでしょう。税金や補助金や各種の法的な規制は、世の中をある方向に誘導しようとします。しかし、最終的に成否を決めるのは、消費者の選択です。いくら無理押ししても、ひとりひとりが自分の財布から出すお金の使い道を強制できるわけではありません。クルマ好きに限った話ではなく、普通の自動車ユーザー目線でも、EVを選ぶ合理的な理由がそれほど強いとは思えないのです。

  • エネルギー充填の手間
    • ガソリンならスタンドで給油すれば3分で満タンです。日本中に普及しており、給油場所に困ることもありません。EVステーションがガソリンスタンドを凌駕するほど拠点展開が充実すれば別ですが、それまでは明らかに不便です。自宅に設置できる人はいいですが、マンション住まいやコストの兼ね合いで、身近に充電施設が普及するには長い時間がかかるでしょう。そのキャズムを超えるのは至難の業です。
  • エネルギー効率
    • 考えればわかりますが、エンジン内部で直接燃料を燃焼させるのと、何百キロも離れた発電所でお湯を沸かして作った電気を送電してバッテリーに溜めてモーター回すの、どちらが効率的か明らかですよね。バッテリーのイノベーションは化学の世界なので、そんな簡単には進みません。ICEだけでは非効率な部分もあるのは事実ですから、HVでエンジンとモーターがお互いに保管するシステムがファイナルアンサーなのではないでしょうか。
  • 環境への影響
    • そりゃモーターからは排ガスは出ませんが、遠くの発電所で燃やしているだけですからね。EVがグリーンというのは明らかに政治的なポジショントークであることに消費者も気付いてきています。そのうちEUが手の平返しするんじゃないでしょうか。彼らは競争ルールを自分たちに有利に変えることに長けていますから、主張を真に受けない方がいいと思います。

トヨタは慎重に全方向にBetしていますが、BMWあたりはEV全振りから軌道修正してきている様にも見えます。VWが戦略修正してきたら一気に業界の流れは変わります。私が注目しているのは、一度EV買った人のその後の購入方針です。意外とICE車・HV車に戻っているケースが多いように見受けられます。それが、少なくとも現段階での消費者の答えなんじゃないでしょうか。当たらしモノ好き、理想派のEVアーリーアダプターもそろそろ刈り取られてきた頃。ぼちぼち潮目が変わるんじゃないかなと高みの見物です。

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